『ぼくのエリ 200歳の少女』

ぼくのエリ 200歳の少女

トーマス・アルフレッドソン監督『ぼくのエリ 200歳の少女』を観た。原作『モールス』は読んでいない。あまり予備知識なく観たので、私自身エリ役が少女なのか、少年が少女役を演じているのか知らない状態で観た。観てみて、ああ少女だったんだなと思ったが、ネタバレの記事を読んでみると、そう単純ではないらしい。エリの衣裳がかわいい。

古い吸血鬼映画では血の色が鮮やかすぎてリアルではないが、『ぼくのエリ 200歳の少女』ではリアルな血の色だ。エンドクレジットで画面が赤くなるが、黒に近い深い赤なところがよい。吸血鬼映画を見慣れていても見たことのないシーンや、見たことがあっても激しいシーンが多い。ホラーファン以外をターゲットにしたような邦題だが、吸血鬼映画として素晴らしい。同じくスウェーデンの吸血鬼映画『フロスト・バイト』では夜が明けない、『ぼくのエリ 200歳の少女』では吸血鬼が退治されない、ステレオタイプではないところがよい。

吸血鬼描写以外のところも、思春期に少年から大人に変わる感じと初恋、孤独感などの切ない話で、自分も子供の頃、母親から「やられたらやり返せ」と云われたことや、一つ年上の奴に肋骨を折られて強くなりたいと思い鍛錬したことなど、忘れていた記憶が甦った。

性根の腐ったクズはロクな死に方をしない。この映画を子供の頃に観れば、虐めっ子にはならないだろう。

かなり久しぶりに蠍座に行ったが、蠍座通信や田中次郎さんの文章が変わっていなくて懐かしく嬉しかった。

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