『アバター』 ジェームズ・キャメロン監督が広島と長崎で2回にわたって被爆した山口彊氏を見舞ったことについて

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映画が発明された頃は、汽車がこちらに向かって走ってくる映像を見て観客が逃げたというが、『アバター』の3D映像はそれ以上に衝撃的なのではないだろうか。過去の3D映像にあったほんの少しブレているという感じも全くなく、立体映像は完成したと云っていい。これは映画館で観なければ意味がない。素晴らしい。

昔から立体映像もジェームズ・キャメロン監督も好きなので、嬉しい。「また出たよ、強い女」という感じで。ストーリー自体は白人とネイティヴ・アメリカンでも作れそうなのだが、観たこともない生物や風景のため、より自分が異文化に入っていくのに近い感覚を味わえる。SFマニアのジェームズ・キャメロンらしく「ものすごくSFだ」と云いたい。

週刊誌の中吊り広告で「次回作は『はだしのゲン』」とあり、ちょっと驚いたが、考えてみればキャメロン監督は『ターミネーター』でも『タイタニック』でも、人間が作り出した最新テクノロジーが暴走し、それによって復讐される人間を描いていた。『アバター』も戦争の愚かさを描いていて、観終わった後、『はだしのゲン』中沢啓治)でも全く不自然ではないことに気付いた。週刊誌によれば『はだしのゲン』そのものではなく、原爆をテーマにした映画ということだ。

《追記》
上記の週刊誌の記事は、入院していた二重被爆者の山口 彊(やまぐち つとむ)氏をジェームズ・キャメロン監督が見舞ったことについての記事だった。ウィキペディアによればキャメロン監督の原爆をテーマにした映画の構想を聞いた山口氏はキャメロン監督に「私の役目は終わった。後はあなたに託したい」と語ったそうだ。上にも書いたようにキャメロン監督は人間が作り出した最新テクノロジーの暴走を描いてきたので、まさに適任だ。
山口彊 – Wikipedia
作品紹介 | 『二重被爆〜語り部・山口彊の遺言』通信
二重被爆者・山口彊氏の活動描く映画『二重被爆~語り部・山口彊の遺言』公開が決定(公開は終了)
James Cameron May Board Adaptation of THE LAST TRAIN TO HIROSHIMA
(2015年8月6日)

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