『ダンシング・レディ』(1933)はダンサー(ジョーン・クロフォード)をめぐって演出家(クラーク・ゲーブル)と金持ち(フランチョット・トーン)で色々ある話だ。過去の記事「『グランド・ホテル』 優雅なリアルタイム・アールデコ」にも書いた通り、やはり金持ちはロクでもないことをやらかし、芸術家の方がよく描かれている。
ジョーン・クロフォードはカンザス・シティでウェイトレスや店員をしていた1923年、19歳のときにチャールストン・ダンスのコンテストで優勝したのがきっかけでレビュー団員になったというから、まさにジャズ・エイジの物語だ。神秘的なグレタ・ガルボ、頽廃的なマルレーネ・ディートリッヒもいいが、ジョーン・クロフォードは映画で見てもエネルギッシュだ。チャールストンを踊っていたというのも納得だ。若い頃は超絶美人だが、おっかない顔のおばさんになってしまったんだよな、 おっかない顔のおばさんというのも失礼かなと思ったが、調べてみると児童虐待をしていたそうで、やはり何にしろ顔に出るものだ。
フレッド・アステアは主要人物ではないが、ダンスの見せ場がある。 監督は『巨星ジーグフェルド』のロバート・Z・レナードで、レビュー・シーンに特撮があり、映画のルーツは奇術であると実感させられるような驚きがあった。
ジョーン・クロフォードについてのサイト
Legendary Joan Crawford
《過去の記事》
Love Songs of the 1930s
上から四番目の動画が『巨星ジーグフェルド』のもの。
上から三番目にはジョーン・クロフォードが出ている。この映画は日本でソフト化されていないようだ。映画は今映画館でやっているのばかりが映画ではなくて、レンタル屋にはなくて買わなければ見られないもの、日本ではソフト化されていないもの、見たくても絶対に見られないものがたくさんあるのだろう。この映画については知らなかったが、『雨に唄えば』や『ボーイフレンド』で使われていたので選曲した。