学天則 昭和初期の日本製ロボット 

學天則 学天則 西村真琴

『ヒューゴの不思議な発明』の時代設定は1931年。ほぼ同時期の1928(昭和3)年に、日本で人造人間が作られた。京都で開かれた大礼記念博覧会に大阪毎日新聞社から出品された学天則だ。圧搾空気で滑らかに動き、労働させるための西洋のロボットと違って微笑んだり考えたりするものだった。製作者西村真琴は著書で「人造人間!  考えただけでも革命的な気持ちに満たされてしまう」と書いている。

私が改めて書かなくても、大きな写真付きのまとまった記事がある。
大阪市立科学館、「学天則」を動態復元~80年前の「人造人間」が復活
学天則の意匠と動作 -学天則復元にあたって-

『大東亜科学綺譚』荒俣宏 筑摩書房)によると、學天則は京都大礼博、広島昭和博、朝鮮大博覧会と展示されたのち、ドイツに買い上げられたが、現地ではうまく作動せず行方不明になったという。想像力をかきたてるエピソードだ。

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