『虚空の花』南條竹則 『未来のイヴ』にまつわる批評風小説

「南條竹則って知ってますか」と問われたとき、どこかで聞き覚えはあったがすぐには思い出せなかった。少し考えて、光文社古典新訳文庫で何か訳していたのを思い出した。
「翻訳の方は知らなかった。小説がかなり凄いらしいですよ」と云われたのは数か月前だった。

最近の話。
「前、南條竹則の話をしていたね。ちょっとネットで私の好きな小説について書いた本というのを知って、今取り寄せているところなんだ。批評風小説らしいけど」
「その小説って、どこの国のですか」
「フランス」
「中国について色々書いている人らしいですけど」

『未来のイヴ』について現代の日本人が語り合う『虚空の花』南條竹則 筑摩書房)を読んだ。あらすじが語られ、興味深い蘊蓄、解釈があり、小説としても面白い。ところどころ笑いながら読んだ。嘘か真か判らない結末に中国が出てくる。

これを読むと『未来のイヴ』を再読したくなった。夜想の特集・未来のイヴも絵や写真や字が詰まった素晴らしい本だ。

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