『血の伯爵夫人』(レイ・ラッセル)をついに入手

『マッド・サイエンティスト』スチュアート・デイヴィッド・シフ編 荒俣宏・他 訳 創元推理文庫)に「サルドニクス」という短篇が収録されている。作者レイ・ラッセルは雑誌の編集者や映画の脚本家もやったアメリカ人で、1960年代から80年代に小説を書いている。だが、その予備知識がなければ19世紀のイギリス怪奇小説なのではないかという雰囲気で非常に気に入った。他に『血の伯爵夫人』レイ・ラッセル ソノラマ文庫)という短篇集が出ていることを知ったが、これの中古価格が高い。

高円寺に住んでいたときに古本屋 十五時の犬へよく行っていた。ここはSF、幻想怪奇、ミステリが充実していて、扱っている本のジャンルが好みというだけではなく、本棚の迷宮のようで物理的な空間として大好きな店だ。あの雰囲気は写真や絵では表現できない。移住してからはなかなか行けなくなってしまったが、もう何年も前に旅行で東京へ行ったとき、寄った。ここなら『血の伯爵夫人』があるはずだと。かなりじっくり探してみたが見つからず、「ソノラマ文庫の『血の伯爵夫人』ありませんか?」と尋ねると、店主は迷うことなくガラスのショーケースの中にあると教えてくれた。その値段がなんと九千円。私は「あー、やっぱり高いんだ。これなかなかないんですよね」と云うと、「そうなんですよねー」と云われた。

まんだらけで五千円くらいで売られているのを見かけた。最近、オークションでそれよりは安い価格のものを見つけた。それでも迷い、すぐには買わなかったが、腕時計を買って貯まったポイントを使って手に入れた。

血の伯爵夫人 レイ・ラッセル

まずは「サルドニクス」を再読し、連休にじっくり読みたい。

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