「 本 」一覧
ロマン派の嫡子、ギャツビー
私は基本的にフランス贔屓、怪奇なイギリスもドイツロマン派も好きだが、今はアメリカの『グレート・ギャツビー』に凝っている。『『グレート・ギャツビー』の読み方』(野間正二 創元...
希望を見いだす非凡な才能 『『グレート・ギャツビー』の読み方』より
『グレート・ギャツビー』を読んだのは、現実がクソッタレなのでやる気を出すためだったのだが、『『グレート・ギャツビー』の読み方』(野間正二 創元社)を読むと、まさにそういう本...
洋書 ”The Complete Phantom of the Opera”
洋書"The Complete Phantom of the Opera"は実際のオペラ座の歴史、『オペラ座の怪人』映画化作品についてやそのポスター、ロイド=ウェバー版について、セ...
『海底二万里』 ジュール・ヴェルヌ
『海底二万里』(ジュール・ヴェルヌ)のネモ船長は科学、文学、美術、音楽と様々な分野に造詣が深く、金持ちで引きこもり生活ができているという一見うらやましい御身分だが、暗い陰を...
メドゥーサの美 『肉体と死と悪魔―ロマンティック・アゴニー』(マリオ・プラーツ)より
マリオ・プラーツは『肉体と死と悪魔―ロマンティック・アゴニー』(国書刊行会)で、ゲーテ、シェリーからボードレール、キーツ、タッソ、バルベー・ドールヴィイなどの例を挙げながら書いてい...
『艶容萬年若衆』 三上於菟吉 和製ドリアン・グレイの肖像
『艶容萬年若衆』(三上於菟吉)は、『ドリアン・グレイの肖像』(オスカー・ワイルド)を元禄の怪異談に翻案したものだ。いつの作品か、はっきりは分からないが、収録されている現代大...
『フォカス氏』 ジャン・ロラン 世紀末の頽廃と悪徳のごった煮
『フォカス氏』(ジャン・ロラン 月刊ペン社)は厚い本ではないが小さな字の二段組で、読み終えるのに時間がかかった。 澁澤龍彦によれば、ジャン・ロランは世紀末の頽廃と悪徳...
『悪魔のような女たち』 世紀末デカダンスの見本帳
『さかしま』(ユイスマンス)が「デカダンスの聖書」なら、『悪魔のような女たち』(バルベー・ドールヴィイ)はデカダンスの何だろうかと考えてみたが、適当な言葉は訳者中条省平の解...
ドン・ファンは何に勝利したのか
オペラ『ドン・ジョヴァンニ』(モーツァルト 1787)のストーリーは理解できるが、本質を理解するにはキリスト教信者でなくてはならないのだろう。『黄金の壷/マドモワゼル・ド・...
ウルトラバロックデカダンス
外国の古い小説を読んでいると入れ子構造になっていることがよくあり、『悪魔のような女たち』(バルベー・ドールヴィイ ちくま文庫)もそうなのだが、メインではない外側の語りまで華...