「 本 」一覧

「水族館」 田園小説『風立ちぬ』の前は都会的だった堀辰雄

「水族館」 田園小説『風立ちぬ』の前は都会的だった堀辰雄

浅草公園の魅力を伝えるために、千個の事実よりも空想の中に生まれた異常な物語の方が便利というのが堀辰雄の短篇「水族館」だ。昭和五年(1930)刊の『モダンTOKIO円舞曲』に...

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『吸血鬼ドラキュラ』 昔の創元推理文庫の表紙

『吸血鬼ドラキュラ』 昔の創元推理文庫の表紙

『幻想書誌学序説』(村上博美 青弓社)を読んでいたら、創元推理文庫の『吸血鬼ドラキュラ』(ブラム・ストーカー 平井呈一訳)について書いてあり、私は二種類持っているので現物を確認して...

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『吸血鬼ドラキュラ』著者の妻をめぐる男たち

『吸血鬼ドラキュラ』著者の妻をめぐる男たち

もう何年も前、『悪魔スヴェンガリ』(1931)のDVDのパッケージに「原作 ジョルジュ・L・デュ・モーリア」と書いてあり、『レベッカ』(1938)のダフネ・デュ・モーリアと同じ苗字...

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ドラキュラやオペラ座の怪人はジュール・ヴェルヌと関係あるか?

ドラキュラやオペラ座の怪人はジュール・ヴェルヌと関係あるか?

私は記事「『カルパチアの城』 ジュール・ヴェルヌ 死んだはずの歌姫の声の正体は?」に、以下のように書いた。 吸血鬼伝説の残るトランシルヴァニアのカルパチア山中の古城が舞台...

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『キング・コング』に影響を与えた猿たち

『キング・コング』に影響を与えた猿たち

『図像探偵 眼で解く推理博覧会』(荒俣宏 光文社文庫)に、ポオはオランを知らなかった説なるものが載っている。博物学の本のオランウータンの絵には幼獣や愛らしいものが多いことと、小説中...

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夜に魅せられし者 C・オーギュスト・デュパン

夜に魅せられし者 C・オーギュスト・デュパン

エドガー・アラン・ポオの「モルグ街の殺人」(1841)は推理小説の元祖と呼ばれるが、私の興味はそこではない。紳士C・オーギュスト・デュパンの生活様式が素晴らしすぎる。 デュパ...

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岡村君の死に至る芸術 「金色の死」 谷崎潤一郎

岡村君の死に至る芸術 「金色の死」 谷崎潤一郎

『一九三四年冬━乱歩』(久世光彦)の本文に『さかしま』を高く評価している部分があり、『さかしま』と比べると谷崎潤一郎の「金色の死」もかなわないとある。かなわないとしても比較されるく...

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「20世紀号ただいま出発」 久保田二郎

「20世紀号ただいま出発」 久保田二郎

「20世紀号ただいま出発」(久保田二郎 マガジンハウス)は堀内誠一デザインの表紙がもう素晴らしい。1920~30年代アメリカについての幅広い話題について書いてある面白い本だ...

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「楕円形の肖像」(ポオ)は『ドリアン・グレイの肖像』のルーツか?

「楕円形の肖像」(ポオ)は『ドリアン・グレイの肖像』のルーツか?

私はエドガー・アラン・ポオの熱心な読者とは云えない。だが、幅広い分野において私の好みの作品に影響を与えているので、読まないわけにいくまい。 「楕円形の肖像」( ポオ 1842...

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『悪魔スヴェンガリ』と原作『トリルビー』

『悪魔スヴェンガリ』と原作『トリルビー』

映画『ダンシング・レディ』(1933)でダンサー役のフレッド・アステアが相方の女性に、自分のことを「スヴェンガリ」だと云っていた。「コンビで人気なのも俺のおかげなんだぞ」という程度...

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