四月に創元推理文庫の『魔都』(久生十蘭)が発売された。私は教養文庫版を持っているので急いで買う必要性は感じていなかったが、どのようなものか店頭に見に行った。
魔都 – 久生十蘭|東京創元社
久生十蘭の代表的長篇探偵小説が、創元推理文庫に遂に登場!
新たな姿で現代に甦る名作。久生十蘭の長篇探偵小説『魔都』
表紙は悪くはないが、私はポップすぎると思うし、銀座の柳が描かれていない。創元推理文庫の江戸川乱歩のように挿絵が入っていれば完璧だったが、そこまでは望めなかった。
現代仮名遣い、新漢字に改められているものの、東京會舘、眞名古明など一部の固有名詞に旧漢字が使われ、現在使わないような漢字もそのままで全体的に漢字多め、振り仮名多め、送り仮名は原文のままで、多少レトロな雰囲気が残っている。これらが決め手となり、買うことにした。
新保博久の解説を読むと、私が記事「結局謎は解けない『魔都』(久生十蘭)」に書いた、「で、結局どうなの? という感じで、自分の理解力が足りないのかと思ったが、関連本を読んでいると、どうやら何も解決してないようだ」という感想は間違っていなかった。一度は通して読んだので、今度は地図を見たり写真を探したり、寄り道しながら読みたい。
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コメント
これは参考になりました。
m(_ _)m
コメントありがとうございます。
本当はもっと旧漢字が多くてもいいくらいです。