『新・フランケンシュタイン』(原題”Frankenstein: Day of the Beast”)

新・フランケンシュタイン

テレビ映画『フランケンシュタイン』(2004)が予想外によかったので、『新・フランケンシュタイン』(2011)も見てみた。パッケージには「霧が立ち込めるある冬の日。この日はヴィクトール・フランケンシュタイン氏と彼の美しい従妹、エリザベスとの結婚式が人里離れた孤島でひっそりと行われていた。薄暗い森のなか、寂れ果てた教会で。武装した傭兵たちに囲まれて。華やかなはずの結婚式は、なにか異様な雰囲気に包まれていた」とあり、これは面白いか大ハズレのどちらかだろうなと思った。見た結果は大ハズレだった。怪物は吠えるだけの怪物で、人を殺したり喰ったりし、手を切断されても手だけで動き続ける。ただのスプラッター映画になっている。

新機軸を打ち出そうとしているのは分かるし、結婚式の攻防に焦点を当てるアイデアは悪くない。「惜しい」までもいかない駄目映画だが、フランケンシュタインが殺されないのは怪物を生み出した罰なのだと話しているときに、婚約者のエリザベスが「生み出したからじゃなくて受け入れないからよ」と鋭い台詞を云ったりする。怪物はエリザベスを殺すのではなく強姦し、エリザベスは自殺する。そういう改変もありだとは思うが、それだったらそういう演出じゃないでしょう。人の容姿のことをああだこうだ云うべきではないが、エリザベス役は横幅があると申し上げておこう。ヴィクター・フランケンシュタイン役はいい顔をしている。

今はレンタルが安いから、この値段ならまあいいかと思えるが、決して買ってはいけない。駄目な映画だが、多分自主映画で頑張って作ったのだろう。こういう映画があってもいいと思う。ただ、商品説明に「メアリー・シェリーによる原作の世界観そのままにゴシックな舞台設定・衣装など細部に拘りながら」と大嘘を書いて参考価格4,423円で売る業者は詐欺だ。

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