『ロザリンとライオン』青春映画、恋愛映画であり動物映画、サーカス映画でロード・ムービー

ロザリンとライオン

記事「映画は宝探し まだまだ未知の世界が」に書いた『ロザリンとライオン』ジャン=ジャック・ベネックス監督 1990)を見た。何の予備知識もなく下のパッケージを見たとき、このライオン大きすぎない? 作り物だよねと思った。ところが、これはスタントマンを使わずに出演者が実際にライオンの調教をした映画なのだ。しかも実在の人物をモデルにしている。ライオンは静かなときは優雅で高貴な雰囲気だが、一瞬で獰猛な表情に変わる。その美と恐怖が画面から伝わってくる。

ロザリンとライオン★【中古】VHS★未DVD化!当時本作を観た時は感激のあまり、暫くこの映画の事しか考えられなかった。スタントマン無しで獰猛なライオンを調教する命知らずな女優魂と、一寸先は死という現場の緊迫感を真空パックしたダイナミックな演出が凄い!
SAARISERKAの商品説明より

マルセイユの動物園の調教学校で、少年ティエリーがライオンの調教師の少女ロザリンと出会う。ティエリーも弟子入りし、ロザリンと恋に陥るが、師匠への反発、方向性の違いもあり、ライオンの檻の中でイチャついているのを師匠に見つかり破門され、ロザリンを連れてバイクで放浪の旅に出る。

なかなか仕事が見つからなかったが、サーカスの下働きを経て、ついにドイツの大サーカス団に入団する。ドイツはビジネス重視で、ティエリーは団長から、君たちフランス人は直情的でロマンティストだと云われる。私がフランスの小説や映画に惹かれるのも、そういうところが理由なのかもしれない。

最後の見せ場はティエリーとロザリンの出し物だ。ロザリンは若い躰を惜しげもなく露出した生命力を感じさせる衣装、ティエリーは骸骨の扮装をしている。これは「死と乙女」の主題であり、死と隣りあわせのライオンの芸にふさわしい。

若さゆえの無鉄砲、怖いもの知らずで突っ走り、衝突やアクシデントがあり、最後は不思議なカタルシスのある映画だ。

ライオンと云えば思い出すのが『百獣の王ライオンと超アクメSEX』だ。パッケージ裏の右上に、本当にギョッとした顔の女性の写真がある。女性はホラー映画を見ると生命の危険を感じ、性欲が高まると聞いたことがあるが、これはその超強力版なのだろう。

百獣の王ライオンと超アクメSEX

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。