『生きている過去』 アンリ・ド・レニエ

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mixiにコミュニティができた直後に参加したのに読み終わっていなかった『生きている過去』アンリ・ド・レニエ 岩波文庫)をやっと読み終わった。

「零落した貴族の館にあってひたすら孤独と無為の日々をおくる青年ジャン。過去の世界を夢見て生きつづけようとする彼は、やがて深い血のつながりと宿命につき動かされ、自分と同名の先祖が150年前にはたせなかった恋を受け継ごうとする…」というステキな話なのだが、自分と同名の先祖を知るのが1/2、恋を受け継ごうとするのが3/4というスローペースだ。半分くらいを過ぎるまで大きな出来事が起こらないのだが、ジャンの父と叔母のバトルあたりから盛り上がってきて、結末はデカダンスだ。デカダンス、デカダンスと軽々しく云っているわけではなく、実際デカダンスそのものなのだから仕方ない。

上の画像はブーシェの「ポンパドゥール夫人」(1758)。作中、重要な小道具としてラ・トゥールの絵が出てくる。ラ・トゥールと云えば暗いのしか思い浮かばないのだが。謎のような、魅力ある微笑を漂わせている女優フェル嬢というのも検索しても見つからなかった。

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