「 本 」一覧
『海底二万里』 ジュール・ヴェルヌ
『海底二万里』(ジュール・ヴェルヌ)のネモ船長は科学、文学、美術、音楽と様々な分野に造詣が深く、金持ちで引きこもり生活ができているという一見うらやましい御身分だが、暗い陰を...
メドゥーサの美 『肉体と死と悪魔―ロマンティック・アゴニー』(マリオ・プラーツ)より
マリオ・プラーツは『肉体と死と悪魔―ロマンティック・アゴニー』(国書刊行会)で、ゲーテ、シェリーからボードレール、キーツ、タッソ、バルベー・ドールヴィイなどの例を挙げながら書いてい...
『艶容萬年若衆』 三上於菟吉 和製ドリアン・グレイの肖像
『艶容萬年若衆』(三上於菟吉)は、『ドリアン・グレイの肖像』(オスカー・ワイルド)を元禄の怪異談に翻案したものだ。いつの作品か、はっきりは分からないが、収録されている現代大...
『フォカス氏』 ジャン・ロラン 世紀末の頽廃と悪徳のごった煮
『フォカス氏』(ジャン・ロラン 月刊ペン社)は厚い本ではないが小さな字の二段組で、読み終えるのに時間がかかった。 澁澤龍彦によれば、ジャン・ロランは世紀末の頽廃と悪徳...
『悪魔のような女たち』 世紀末デカダンスの見本帳
『さかしま』(ユイスマンス)が「デカダンスの聖書」なら、『悪魔のような女たち』(バルベー・ドールヴィイ)はデカダンスの何だろうかと考えてみたが、適当な言葉は訳者中条省平の解...
ドン・ファンは何に勝利したのか
オペラ『ドン・ジョヴァンニ』(モーツァルト 1787)のストーリーは理解できるが、本質を理解するにはキリスト教信者でなくてはならないのだろう。『黄金の壷/マドモワゼル・ド・...
ウルトラバロックデカダンス
外国の古い小説を読んでいると入れ子構造になっていることがよくあり、『悪魔のような女たち』(バルベー・ドールヴィイ ちくま文庫)もそうなのだが、メインではない外側の語りまで華...
オペラ『ホフマン物語』原作の三つの物語
『ホフマン物語』の原作、「砂男」(『夜景作品集』(1817)収録)と「クレスペル顧問官」(『セラーピオン朋友会員物語』(1819)収録)は手に入りやすい『ホフマン短篇集』(池内紀編...
『カルパチアの城』 ジュール・ヴェルヌ 死んだはずの歌姫の声の正体は?
吸血鬼伝説の残るトランシルヴァニアのカルパチア山中の古城が舞台の『カルパチアの城』(ジュール・ヴェルヌ 1892)の三年後に『吸血鬼ドラキュラ』(ブラム・ストーカー)が出版...
ホフマン ファム・ファタル 機械趣味
ファム・ファタルはフランス語だ。映画やオペラ『ホフマン物語』の原作読んでいると、ファム・ファタル的な話で、ホフマンはドイツでよりもフランスで人気があり、フランス文学にも影響...