1920年代の映画会社各社のカラーとギャツビー映画化

何もしなくてもかっこいい人はそのままでいいかもしれないが、そうでなければかっこいい人の真似をしなくてはならない。1930年代から40年代の映画が お手本になりそうだが、ジャンルによってはもっと最近の映画でもいいかもしれない。貴族、泥棒、奇術師あたり。これは映画から教訓をひねりだすということではなく、ファッションや立居振舞いについて、と過去の記事に書いたが、そんなことはすでに90年も前の人々がやっていたのだ。

1920年代から30年代、日本の観客は銀幕のスターを通して、ファッションを真似し、煙草の吸い方を習い、立居振舞いまで盗んだのだそうだ。1920年代には映画会社ごとに独特のカラーがあり、パラマウント映画が都会趣味、流行をリードしていたらしい。双葉十三郎の解説によると以下の通り。

  • ワーナー ガサツだけど面白い
  • MGM まだるこくて通俗小説的
  • フォックス やたら泥くさい
  • パラマウント 小股が切れ上がって、フィルムまでが底光りしてピカピカしてましたよ

フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』が出版された次の年、1926年には舞台化、映画化されていて、その映画を製作したのがパラマウントだ。

グレート・ギャツビー 或る男の一生 1926

日本ではその翌年、『或る男の一生』の邦題で公開されている。私は『グレート・ギャツビー』に感銘を受けて、色々書いているうちに興味がその時期の日本にも飛んできたのが、ここでつながったような気がする。

それにしても上の画像、左下がギャツビーかと思ったら、どう見てもトムだろうという右の人がJGなのだ。ギャツビー役は原作のイメージよりも老けていてゴツい人でなければならない決まりでもあるのだろうか。

全身写っているカットや正面からのカット、向かい合った男女のバストショットなどサイレントらしい画、プールや階段の馬鹿騒ぎ、いいですね。全部見てみたいが、フィルムは失われていて予告しかないらしい。

《参考文献》
「モボ・モガの時代 東京1920年代」(平凡出版社)

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