過去の記事「『女王陛下の007』 レトロでポップなムードもありハード路線の悲哀もありの二代目ボンド」にも書いたこの映画が好きで、DVDは持っているのだから次はブルーレイを買いたいところだが、TV放送吹替初収録特別版なるものが出ていて、ボンド役が広川太一郎、トレーシー役が田島令子であるので見たくなった。
だが、吹替えだけのためにDVDを持っている映画でブルーレイでもないものを買うのもどうかと思い、しばらく迷っていた。そのとき、こちらの記事を読んだ。
この記事に「キングレコードの最大の特徴は他社よりソフトを出す弾数が少ないのと著作権移行が中々出来ないと言う事です」との記載がある。通販サイトの商品説明にある「あの懐かしい吹替えが手に入るのはこのシリーズのみ!このシリーズ以外の商品にこれら吹替え音声が入ることは、まず無い(たぶん)!!ラストチャンス!!」は本当なのか、これは買わなきゃ見られない。
テレビ放送でカットされた部分は字幕か別の声優だ。広川太一郎の声は最初、落ち着いた渋い声で、全然違う印象に聞こえた。ボンドがヒラリー卿になりすますあたりから広川太一郎らしくなってくる。
知っているストーリーだが、改めて見てもボンドのプロポーズの場面では感動した。007は会話が重要な作品で、日本語音声はスッと入ってくるので、吹替えもいいものだ。私は字幕派だが吹替えのよさも分かった。一度見て気に入った映画でいい吹替えがあれば吹替えも見てみよう。
今、ショーン・コネリー版も順番に見ていて、それから『女王陛下の007』を見ると、以前は特に何も感じなかった結婚式の場面のマネーペニーの描写にグッときた。ボンドがマネーペニーに帽子を投げるのは、何作か見ていないと意味が解らず、こういうところもシリーズものの面白いところだ。ああ、ボンドも普通の紳士なんだな、女と関係を持つのは情報を得るため、仕事のうちなんだな、と感じたが、また別の作品を見ると、あ、やっぱり好きでやってるわ。
昔の翻訳家の偉いところは、ボンドは上司と話すときは自分を「私」と云い、それ以外は「俺」と云うところだ。絶対にこちら方がいい。ダニエル・クレイグのボンドはいつでも「ぼく(平仮名)」だ。あんなにゴツくてふてぶてしいのに、「ぼく」って顔か。大人の男は「ぼく」なんて云わない。本当にやめてほしい。
コメント
初めまして
「広川太一郎」でググっていたらこちらのブログにヒットしました。
当時の吹替えでは「俺」ですが、アルティメット(新録)でのロジャームーアでは「私」に
なっています。
吹替えも時代によるものが大きいので「俺」は使えないのかも!?
はじめまして。
全部「私」でもいいと思います。「ぼく」が子供っぽく感じます。