怒りの『オペラ座の怪人 25周年記念公演inロンドン』 字幕手抜き

オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン引用元:TOWER RECORDS ONLINE

『オペラ座の怪人 25周年記念公演inロンドン』を観た。映像と音楽は素晴らしい。もはやミュージカルではなくオペラと云っても過言ではない豪華なセットと衣裳、出演者の人数だった。ところどころ映像を使っていて、”All I Ask Of You”の夕焼けから夜空に変わる屋上の場面が美しかった。変わっていて面白いのは、”Masquerade”で手回しオルガン風の音が使われているところだ。

ただひとつ、A級戦犯がいます。字幕が劇団四季そのままとは何事だ。劇団四季の歌詞が悪いということではない。音楽に乗せなくてはならないので制約があり、情報量が少なくなるのは仕方ない。それをそのまま字幕に使うとは、何たる手抜き。字幕を読んでいたら勿体ない。怒りに打ち震えたが楽しむためにほとんど字幕は見ずに、人物の表情と豪華なセットを見ていた。

屋上の場面でクリスティーヌの怯えが一時的に憧れに変わるが、”but”が訳されていないためわけの分からないことになっている。ここは英語のCDを買って最初にチェックした。

墓場ではクリスティーヌがファントムに向かって歌っているのに父親に歌っているようになっている。ここは劇団四季で観たときは地味でピンとこなかったが、ジョエル・シュマッカー監督の映画(2004)でとても好きなシーンになった。

ファントムの思いが込められた”You alone can make my song take flight”が「ふたりは歌うのだ」でいいと本気で思っている奴、友達を気遣って”She needed rest”と云っているものが「思いますわ」でいいと本気で思っている奴がいたら前に出ろ。愚かで無能な映画会社め。観客をナメているとフィルムに火が点いて映写機が燃えるぞ、とファントム風に云ってやりたいところだが、デジタルだったらフィルムは燃えないのか。

※この記事の後に発売されたDVD、ブルーレイでは劇団四季ではない字幕も付いている。

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