夜想の興味ある特集を見つけたら大体買うようにしているが、「亡命者たちのハリウッド」は多分古本屋で現物を見たことがないような気がする。ネット通販で表紙も内容も知らず、タイトルだけで買ってみた。
「ハリウッドの異邦人たち」と題する、アメリカ出身以外でハリウッドに集まった人々の事典が巻頭にある。幼いうちに移住した者もいれば、ナチスを逃れて亡命した者もいる。シシリー島のパレルモ出身のフランク・キャプラ、ハンガリーのブダペスト出身のマイケル・カーティスなどが多くの写真とともに紹介されている。
他はエリック・ロメールとジャン・ルノワールの本人が書いた文章と、フリッツ・ラング、マックス・オフュルス、イングリット・バーグマン、アイラ・ガーシュウィンについて日本人が書いた文章が載っている。特に興味惹かれたのがマックス・オフュルスだ。以前、『輪舞』(1950)を見て、作り物めいた、夢を見ているような映画でとても気に入り、他にも探して『忘れじの面影』(1948)などレンタルで見られるものは見ていた。これから色々見ていきたい。
私は『グレート・ギャツビー』や『キング・コング』に凝っていた時期に1920年代、30年代の映画ばかり見ていたことがあり、この本にはその時期の映画について色々書かれていて、買ってよかった。