ヴィスコンティ監督愛用の香水はペンハリガンのハマン ブーケ

ココ・シャネルは云った。「香水をつけない女に未来はない」と。今や男だからとか女だからとか区別する時代ではない。という論法で私は香水を使う。何を使っているかは書かない。すっきり知的系、エロティック系、スパイシー系、夏の爽やか系、ゴージャスすぎて普段使えないから観劇のときくらいしか使わない系等など、気分とファッションによって変えている。甘くない、爽やかじゃない、色っぽい感じのを探していて、ある程度気に入っているものもあるが、これからも試行錯誤していきたい。

ペンハリガン カタログ

先日、ペンハリガンのブレナム ブーケってどんなものかしらとデパートの香水売場に行ってみた。試してみて、すっきりしていていい感じではあったが、私が使っているものにも似た系統のものはあるので、今すぐ欲しいというほどではなかった。そのときカタログをもらい、名前と説明書きで気になったのがサルトリアルだった。”仕立て屋”の名を持つ香りで、仕立て屋のアイロンや裁断機のオイルなどのイメージらしい。こちらも個性的でよかったが、買うならブレナム ブーケかなという感じだった。

最近、ルキノ・ヴィスコンティ監督の愛用の香水がペンハリガンだと知り、どこかに埋もれていたカタログを引っぱり出して見てみた。すると一番端にあった、ハマン ブーケ。1872年に誕生した、ペンハリガン初代のフレグランスで、当時のターキッシュバスの硫黄や乳香からインスピレーションを得た香りだそうだ。なるほど、トルコ風呂ね。ネットの情報を見ていると甘そうな感じだが、ラストノートにサンダルウッドがあるのは好みだし、商品説明の「ゴールドを彷彿とさせる輝きの奥に、古書やアンティークの調度品、そして由緒ある邸宅を思わせる重厚な香り」というのがとても気になる。またデパートの香水売場に行ってみよう。

ヴィスコンティの助監督で愛人でもあったフランコ・ゼッフィレッリは、ヴィスコンティは声がよく、服装、身のこなしが貴族そのもので、とにかく良い香りのする男だったと語っている(参考文献:メンズプレシャス 2013 Winter 「伊達男の”服装”は「名画」から学べ!」 林信朗のコメントより)。最近の記事との関連で云えば、『ロミオとジュリエット』フランコ・ゼッフィレッリ監督 1968)のロミオ役レナード・ホワイティングが、『真説フランケンシュタイン 北極に消えた怪奇人間』でヴィクター・フランケンシュタインを演じている。

《追記》
早速、香水売り場に行ってみた。ハマン ブーケは「古書やアンティークの調度品、そして由緒ある邸宅を思わせる重厚な香り」という説明が納得できた。かなりいいが、また色々試してみて、やはりサルトリアルがよく思えてきた。

確かにブレナム ブーケはすっきりしていてかなりよく、万人受けしそうだ。だが私はもう少し落ち着いた感じにしたい。ハマン ブーケのヴィスコンティ愛用というブランドはかなり魅力的で心惹かれるが、今の私の気分としてはハマン ブーケほど重厚ではなくブレナム ブーケほど軽くないサルトリアルかな。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。