テレビ映画『フランケンシュタイン』(2004) 実験室に揺らめく蝋燭の炎

テレビ映画『フランケンシュタイン』(2004)はセットやロケ場所が素晴らしい。廃城とか山とか森とか、原作のピクチャレスクと呼ばれるものが表現されている。雨や雷のシーンも激しい。原作に忠実でありながらもフランケンシュタインの子供時代などふくらませているところもある。『フランケンシュタイン』(1994)ほどの派手さはないが、思ったよりよかった。

フランケンシュタイン ルーク・ゴス

フランケンシュタイン 1831年版の挿絵

フランケンシュタインの怪物のヴィジュアルがかっこよい。髪型や体が大きいのは1831年版の挿絵に似ている。怪物が女を欲しがる理由も描かれている。原作には書かれていないというか書けなかったのかもしれないが、そういうことは当然ありうることで、なるほどと思った。より怪物の悲哀が出ていて、フランケンシュタインの弟殺しは殺意はなかったことになっていて、ジャスティンの冤罪死刑では嘆いている。

この作品の特にいいところは実験室に蝋燭がたくさん立っているところだ。フランケンシュタインがクリーチャーを作るところで”Live! Live!”と叫ぶのは、1931年版の”It’s Alive!”との差別化を図ったのだろう。

映像は全然安っぽくないのにカットのつなぎめがブツブツ途切れてもったいないと思っていたら、ノーカット完全版180分というものが出ているではないか。さらにアメリカ版は208分だというではないか。またいつか通販でアメリカ版を買うか。

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