『猫の館』(寺山修司・文 末次曜子・コレクション 猫の手帖・編集 たざわ書房)は前から欲しかったかわいい本だ。猫の写真や絵のポストカードが色々載っている。寺山修司の「猫探偵としっぽのない少女が書いたライナーノート」が巻末に収録されている。行方不明の猫探しを依頼された探偵と助手の会話形式で、猫にまつわる音楽や小説を羅列している。
これは古本の価格が高めなので買うつもりはなかった。図書館で借りようと思って調べていたら、比較的安めのを見つけてしまった。箱がないから安かったのだろう。箱の印象が強かったので箱なしを見て、あれ、こんなに薄くて安っぽかったっけと思った。記憶の中で美化されていたようだ。今また見たくなったのは最近の彩色写真マイブームの影響が強い。
《追記》
やはりハードカバーとソフトカバーがあったのだ。それならプラス千円でハードカバーの方がよかった。ソフトカバーの存在なんか知らなかったからなあ。複雑な感じだ。(2009年3月14日)
「猫探偵としっぽのない少女が書いたライナーノート」には猫文学がたくさん羅列してあり、その章の最後に「文学の中の猫ベストテン」がある。それを引用する。(2015年6月18日)
- マザーグースの猫
- 泉鏡花の「黒猫」
- ハインラインの「夏への扉」の猫
- エドワード・リア卿のナンセンス猫
- ルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」のチェシァ猫
- 日本霊異記の猫
- ポーの「黒猫」
- 大島弓子の「綿の国星」のチビ猫
- ボードレールの猫
- 落語「猫の災難」の猫