『真説フランケンシュタイン 北極に消えた怪奇人間』(ジャック・スマイト監督 1973)を見たら制作年が近い『悪魔のはらわた』(ポール・モリセイ監督 1974)も見たくなり、久しぶりに見た。過去に何度も見た映画で、記事「『悪魔のはらわた』と『処女の生血』 ウド・キアー ダブル・フィーチャー」に少し書いたことがあるが、やはりいい。
女性人造人間を完成させたフランケンシュタインは男性人造人間の頭部を探す。女性人造人間と交接させるため、性欲の強い人物の脳でなければならない。売春宿を張り込みしていたフランケンシュタインと助手は理想の男の首を狩ったつもりが、それは性欲の強い男に強引に連れて来られた、これから修道院に入ろうとしている童貞だったのだ。完璧な計画のはずが、狂いが生じてくる。
フランケンシュタインの狂気、暴走、イッちゃってる目、大言壮語、博士と助手の変態っぷり、エロ・グロ・ナンセンス、人造人間の美しさ、フランケンシュタインの姉であり妻でもある色情狂の部屋に掛かったサロメの絵、残酷な子供たちの不気味さ、串刺しされてもただでは死なないフランケンシュタインの最期、どうでもいいくだらないことを真剣に演じる役者魂、古典劇のように風格があり筋の通った脚本等など、何度見ても面白い。