『吸血鬼ドラキュラ』 昔の創元推理文庫の表紙

『幻想書誌学序説』村上博美 青弓社)を読んでいたら、創元推理文庫の『吸血鬼ドラキュラ』ブラム・ストーカー 平井呈一訳)について書いてあり、私は二種類持っているので現物を確認してみた。最初に買ったのは青い表紙で、後から赤い表紙も見つけて(そのようなものが存在するとは知らなかった)、やっばり赤でしょうと、安かったので買っておいた。

抄訳の世界大ロマン全集『魔人ドラキュラ』が出たのが昭和三十一年(1956)、その第三版から箱の絵が『黒死館殺人事件』小栗虫太郎)の挿絵を描いた松野一夫になった。これも安い値段のを見たことある。ドラキュラばかりたくさんあってもしょうがないと思って買わなかったが、買っておけばよかった気もする。

昭和三十八年(1963)に『吸血鬼ドラキュラ』の題で、抄訳のまま文庫化し、そのときは青い表紙で、昭和四十六(1971)に出た完訳版で赤い表紙になった。タイトルが金色だと『幻想書誌学序説』にあり、そこまで憶えていなかったので、久しぶりに引っぱり出した。

吸血鬼ドラキュラ 創元推理文庫

確かに金色だ。栞ひもが付いている。その後また青に戻り、ひもはなくなった。私の持っている青は、赤より後に出た方だ。ページ数は同じだが、紙が違うせいか赤の方が少し薄く、行間が若干広めで青より読みやすい。

今の表紙も悪くないけど、昔の表紙が好きだ。赤に金とは、よい表紙だ。イラストは石垣栄蔵

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