『吸血処女イレーナ 鮮血のエクスタシー』 ジェス・フランコ

吸血処女イレーナ 鮮血のエクスタシー     ジェス・フランコ

ジェス・フランコ監督『吸血処女イレーナ 鮮血のエクスタシー』を見た。フランコ監督の映画は他に『ヴァンピロス・レスボス』しか見ていないが、両方黒髪の美人吸血鬼が出てきて、雰囲気はゴシックな感じではなく、明るい海やプールなどが出てくる。

吸血のあと口に血が付かない。血が付いているスチールもあるのだが。まあ、吸血鬼役のリナ・ロメイは吸血のあと口のまわりに血は付いていなくても、とても妖しい表情をしていた。

女吸血鬼による殺人、何かよく分からないが女吸血鬼と因縁がある者、捜査する者、退治しようとする者、受け入れる者などのストーリーらしきものはあるが、きっちりしたストーリーではなく、イメージをぶん投げて放置という感じだ。私はこういう、真剣に見るのではなくBGVにできそうな映画は結構好きだ。

想像以上に露骨なエロだったが、繰り返し流れる叙情的な音楽で、格調高い映画に見えてしまう。昔だったらボカシが入っていただろう。これは薄いモザイクだったが。昔、ボカシは「余計いやらしくなる」とよく云われていて、その言葉に大人の欺瞞を感じた。「いやらしさが損なわれるから駄目だ」と何故正直に云わないのか。あるいは不自然で感情が途切れるから駄目だとも云える。ボカシによっていやらしさが減ることはあっても増えることはないと思う。

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