『グレート・ギャツビー』でデイジーがシャツを見て泣く謎

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映画館で一度観たバズ・ラーマン監督版『華麗なるギャツビー』を動画配信で見た。音楽やキャストの脂肪量に不満はあるが、こういうものだと思って見たら悪くはなかった。記事「鳥と花と猫 ギャツビー・シンボリズム」に書いたようにジェイ・ギャツビーの”Jay”は鳥のカケスで、俗語で馬鹿、阿呆、間抜け、うぶな人、カモられやすい人、おしゃべり、口数の多い人という意味があり、映画ではそういう演出になっていた。ギャツビー登場の笑顔には笑ってしまうし、デイジーと再会したあとの海のシーンの本当に楽しそうな笑顔には泣けた。

デイジーがギャツビーのシャツを見て泣くのは文章で読んでもよく分らない部分で、記事「『華麗なるギャツビー』にも出てきた1920年代ダンディズムな絵 ライエンデッカー(レインデッカー)」に書いたようにシャツの広告もひとつのヒントにはなるだろう。だが、映画ではデイジーが過去を思い出して泣きだして、ギャツビーになだめられて、取り繕うように意味のないことを口走っているように見える。これにはなるほどと思った。この解釈が正しいのかどうか分らないが、英語ネイティブの解釈であり、フィッツジェラルドがそこまで意図していたのだとしたら凄いことだ。

『『グレート・ギャツビー』の読み方』野間正二 創元社)によれば語り手のニックは正直な語り手ではなく、語りたくないところは隠しているとのことだ。他の人物の意図も発言通りではなくてもおかしくはない。

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