『虚栄の市』(サッカリー)や『フランケンシュタイン』(メアリ・シェリー)の関連本ばかり読んでいたら、フランス成分が足りないなと感じ、『さかしま』(ユイスマンス)を読んだ。その挿絵について書いた過去の記事「ウミガメか リクガメか」を思い出し、画家アーサー・ザイデンバーグについて調べてみると、1971年に『彫刻の技法』と『人体素描』(ダヴィッド社)という本が出ていた。
『人体素描』によるとアーサー・ザイデンバーグは美術教育家としての提言が欧米で高く評価されているアメリカの画家で、その作品はニューヨークのメトロポリタン美術館などに常陳され、アメリカの市民にひろく親しまれているとのことだ。
内容は具体的な描き方というよりは考え方が中心で、人体を部分に分けて練習する方法が書かれている。
職業画家を目指すにしろそうでないにしろ、絵を描くということは、結局ひとつのことだ。つまり、自分の言いたいことを絵のことばをもって語るということである。そのためには自分に忠実でなければならない。
私は子供から少年時代にかけて漫画の真似事をしていたので、全然絵が描けないというわけではないのだが、きちんと勉強したわけではなく、我ながら下手だなあと思う。ここしばらく描いていないので、これを機にまた描いていきたい。