『グランド・ホテル』(エドマンド・グールディング監督 1932)の翌年に作られたパロディ、18分の短篇”Nothing Ever Happens”が『グランド・ホテル』のDVD、BDの特典に日本語字幕付きで収録されている。くだらないパロディではあるが、結構凝っている。キャストはそっくりさんのモノマネで、特に速記者のジョーン・クロフォード役は本人と見間違えた。芝居はライオネル・バリモア役がそっくりで笑える。突然始まるラインダンスが衝撃的だった。やはりレヴュー流行りの時代だったのだろう。
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