アーサー・コピット脚本、モーリー・イェストン作曲の『ファントム』でいまいちなのは、ファントムとクリスティーヌの話、ファントムと父親の話で軸がぶれているところだ。クリスティーヌはファントムを傷つけてしまって謝りたい、最後はファントムが死にそうでかわいそうというだけで、ファントムの音楽に再び惹かれるわけではない。コピット脚本のドラマではそこが描かれていて、私の一番好きなシーンで、それがないのが残念だが、これをやってしまうとロイド=ウェバー版と似てしまうので仕方ないのかもしれない。
音楽は素晴らしく、大人数のワルツは『オペラ座の怪人』とは別の楽しさがある。特に好きなのがこの場面。ファントムのレッスンを受けたクリスティーヌが初めて人前で歌を披露するシーン。
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