ロベール・アンリコ監督『若草の萌えるころ』(1968)を見た。同監督の『冒険者たち』の記事で「男ってバカだなあ」と書いたが、この映画もそうだった。リコウな奴なんか面白くないね。
深刻な内容だが、行きあたりばったりの奇妙なロードムービーであり、幻想シーンが美しい。かなり引き込まれた。
トレンチコートを着て夜中にふらふら出歩けば、あんな出会いもあるのかな。
《追記》
今、女性の間でトレンチコートが流行っているのだろうか。やけによく見かける。トレンチの男はそれほど多くないから、私が着てもかぶることは少ない。それで『若草の萌えるころ』を思い出し、古い記事を復刻したわけだが、書いた日を見ると、最初に見たのはレンタルビデオだった。音楽のフランソワ・ド・ルーべに凝っていた時期だ。
その後、キングレコードの低画質だが手書き風字幕がいい味出しているDVDを買い、さらにその後、イマジカから出たHDニューマスター版も買った。画質は明らかに後者の方がいい。私は持っていないがブルーレイも出ている。
改めて見てみたが、やはりよい。ジョアンナ・シムカスの激しさと寂しさの同居した不安定な美しさに、フランソワ・ド・ルーべの哀愁漂う音楽、最後のカットは込められた象徴も画の美しさも凄い。
そしてまたトレンチコートだが、襟と襟の間を留めるパーツの名前を知らなかった。調べてみるとスロートラッチというらしい。『若草の萌えるころ』のジョアンナ・シムカスはスロートラッチを見えるように付けている。私は今まで襟の裏に付けていたが、この映画での付け方を真似することにした。(2016年4月19日)