『戦闘マシーン ソロ』の映画化 『サイバー・ソルジャー』

サイバー・ソルジャー

サイバー・ブルーとかサイバー・フォースとか、サイバーが付いていると私は大抵心惹かれる。中古ビデオの『サイバー・ソルジャー』を手に取って見ると、原題は”SOLO”。おおーこれは『戦闘マシーン ソロ』ロバート・メイスン 新潮文庫)だ、しかも主演は『エクスターミネーター2』マリオ・ヴァン・ピーブルズだ、とオレモリ(俺だけが盛り上がる)だった。ロボットを作った技術者役は『戦場のピアニスト』に出る前のエイドリアン・ブロディだ。こんな仕事もしていたのだな。

ロボット、アンドロイド、A.I.、自動人形ものはなるべく読むようにしているので、ソロも読んでいた。兵器としてのロボットが戦う話は、ありそうで意外と少ない。アメリカ製戦闘マシーンが人を殺す命令を拒否して逃亡し、米軍とCIAが極秘に回収に乗り出す。ソロは「敵」であるニカラグアの共産主義政府側の村人との交流を通じて、人間について学んでゆく。モラル、本能等の問題を描いた社会派だが、逃亡追跡は迫力があり、人物は魅力的で、お堅いということはない。

映画は普通のアクション映画で、特によくも悪くもない。小説の表紙がメタリック・ボディなので読んだときはそのように想像したが、映画では外見はマリオ・ヴァン・ピーブルズで中身は機械、『ターミネーター』と同じだ。小説では描かれていた人間の女との関係を、もう少し見たかった。

パッケージや字幕が「サイボーグ」となっている。『ターミネーター』もそうだ。本当はサイボーグというのは人体を改造したもので、全部機械で作ったものはサイボーグとは呼ばないのだが。義手や義足から、広い意味ではコンタクトレンズや入れ歯、つけまつ毛、かつらを使っている人はサイボーグと呼べる。

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