『フットライト・パレード』 1930年代の豪華レビュー映画

フットライト・パレード バズビー・バークレイ 1933 Footlightparadeposter

最近すっかりミュージカル専門になってきている今日この頃、『フットライト・パレード』(1933)を見た。ショウの場面の振付けと演出はバズビー・バークレイ、監督は『四十二番街』と同じロイド・ベーコンだ。すごいバイタリティの敏腕プロデューサーがレビューを作るバックステージものだ。ケン・ラッセル監督の『ボーイフレンド』バズビー・バークレイの影響を受けているのは知っていたが、眼鏡をかけた女性が眼鏡をはずして舞台に出るところや、舞台そのままではなく幻想的に描くところなど、思った以上に似ていた。

尻切れトンボな終わり方だが、ジェームズ・キャグニー演ずるギャンギャンわめく敏腕プロデューサーが最後は出演までするの可笑しい。ギャング映画で有名だが、ヴォードヴィル出身で歌や踊りもこなしたそうで、その一面を見られる。レビューシーンは多くはないが、ひとつひとつは長めで、見応えがある。

《追記》
ジェームズ・キャグニー主演の『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ』マイケル・カーティス監督 1942)を見たがアメリカ万歳すぎて主人公は調子コイていておっかない目で壊れた人形のように踊りまくって、いまいち面白くなかったので『フットライト・パレード』を見直してみた。いい映画だね、これ。同じ監督の『四十二番街』も演出家が病んでいるが、最初から病気ということが台詞で表現されていて最後は寂しげなのに対し、『フットライト・パレード』ジェームズ・キャグニーは創作で苦悩し、段々狂っていくので怖いし、共感できる。そしてショウのスケールは大きく、最後はハッピーエンドだ。こちらのジェームズ・キャグニーはかっこいい。
(2017年12月10日)

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