『ブレードランナー ファイナル・カット』で復習してから『ブレードランナー2049』を観ると際立つお仕事感

ブレードランナー2049

ずっと前に買った『ブレードランナー クロニクル』のDVDは持っていたが、せっかくだから『ブレードランナー ファイナル・カット』のブルーレイを買って、見た。鮮明で美しい映像で、買ってよかった。

見直すと、私が『ブレードランナー2049』を観てもいまいち盛り上がらなかった理由がはっきりしてきた。『ブレードランナー2049』のほとんどの人物は忠実に仕事しているだけなのだ。欲望もなく、反抗もせず、予想外の行動もせず、禁断の恋もせず、ただ仕事している、仕事させている、させられてるだけだ。

一番人間らしいAIは美人というよりはその辺のかわいいお姉ちゃんといったヴィジュアルで、主人公の云って欲しいことを云い、やってほしいことをやるという仕事をこなしているだけ。いなくなっても主人公はショックを受けるわけでもない。娼婦は美人かもしれないが色恋の演技もせず、お仕事感丸出しだ。

ほとんどの人物は仕事しているだけ、大義のために死ぬなんて人造人間が騙し騙されている人間の愚かな部分を真似てどーするの、主人公は自分探しをし、結局見つからない、そんな映画を誰が観たい? 結局、監督もお仕事で作ったのだろう。前作をリスペクトした上で新しいものを創り出した立派な仕事であることは認める。『ブレードランナー』の世界を3Dで楽しめるアトラクションとしては素晴らしかった。

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