『パリところどころ』 ヌーヴェル・ヴァーグのオムニバス映画

記事「Paris 2010」「呼び醒まされた記憶 巴里のメトロで『珊瑚集』(永井荷風 岩波文庫)を読んだ」と来たら思い出すのは『パリところどころ』(1965)だね。

DVDは出ていたが高値になっていた。記事「ありえなーい」ではレンタル屋で探し、記事「映画で歩くパリ」では映画館で上映されるらしいから観たいと書き、せっかく観に行ったのに寝てしまったことについては記事「もうやんカレー」に書いた。

8F91A706-17E6-45D2-B849-9ABB0896A6ED

改めてきちんと見てみたいと思っていたのが数年前にやっとブルーレイが出た。

C11EF49E-431B-4ECA-8EEA-55B2C7D29408

6編から成るオムニバス映画で、16mmカメラの機動力を活かしてパリの各地が描かれている。フランス文学、映画に感じる孤独、哀愁、性と死の要素は『パリところどころ』にもある。

第1話 サン・ジェルマン=デ=プレ ジャン・ドゥーシェ監督
この映画に限らず男と女は狐と狸の化かし合いだと思っているが、まさにそういう感じの落語のような話。

第2話 北駅 ジャン・ルーシュ監督
緊張感のある長回しの会話劇。人生は選択の連続なのだ。

第3話 サン=ドニ街 ジャン=ダニエル・ポレ監督
軽めの艶笑譚。

第4話 エトワール広場 エリック・ロメール監督
パリと云えばお洒落なだけではなく犯罪の影も忘れてはならない。

第5話 モンパルナスとルヴァロワ ジャン=リュック・ゴダール監督
『映画で歩くパリ』鈴木布美子 新潮社)によれば監督がアンナ・カリーナと別れた頃の作品で、女の不誠実をシニカルに描いているとのこと。

第6話 ラ・ミュエット クロード・シャブロル監督
ブルジョワ一家の表と裏。

カメラに凝っているから写真研究、フィルムルック追求のためにも見る価値がある。鮮やかでもなくくすんだ感じなんだけど綺麗な色が出ている、カラッとした感じ、いいね!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。