「 1930年代 」一覧
『人造人間小説傑作選』 怪奇で不道徳な大正昭和のマッド・サイエンティストたち
『人造人間小説傑作選』(十三舎)は、その名に恥じぬ傑作揃いだ。大正、昭和の時代や人造人間に興味を持っていたが、読んだことのない小説ばかりだった。雑誌や本のロボット小説のリス...
「愛しのヘレン」 お手伝いロボットがご主人様に恋する1930年代SF
Android woman (Galaxy, September, 1954, illustration) お手伝いロボットがご主人様に恋する。ありがちなストーリーだと感じられる...
『ラスト・タイクーン』 フィッツジェラルド 何かを求めて手に入らない姿が作者と重なる
フィッツジェラルドに感銘を受け、クラシック映画も好きなので『ラスト・タイクーン』は是非読まねばと思い、ハヤカワ文庫の乾信一郎訳と三笠書房の米田敏範訳を読み、角川文庫大貫三郎...
『ダーク・ブルー』 英国空軍としてナチスと戦ったチェコスロヴァキア人飛行機乗りの恋と友情
対等な関係のバディ・ムービーでもなく、師弟関係でもなく、ちょっと珍しい距離感の飛行機映画だった。チェコ・イギリス合作、ヤン・スヴェラーク監督の『ダーク・ブルー』(2001)...
『歌劇学校』 川端康成?の少女小説
(引用元 「中原淳一展」歌劇学校 - 梅田経済新聞) 川端康成が書いたことになっている『歌劇学校』という小説がある。昭和三十六年(1961)のポプラ社版は古本市やネットで見たこと...
「死後の恋」 夢野久作 少年兵士は男装の皇女?
『浅草紅団』(川端康成)も「水族館」(堀辰雄)も昭和五年(1930)刊の『モダンTOKIO円舞曲』に収録され、両方に男装が出てくる。この時期の男装は何なのか、時代の空気なの...
『一九三四年冬ー乱歩』 久世光彦 日英仏ひきこもり文学
『一九三四年冬━乱歩』(久世光彦 1993)は以前から著者にも題材にも興味はあったが、読む本が他にもあるので手を出さずにいた。図書館でたまたま目に入り、借りてみた。オチは特...
メタフィクション 『浅草紅団』 川端康成
『浅草紅団』(川端康成)を初めて読んだとき、風俗描写や会話は楽しめたが、よく分からない話だと思った。再読して気づいた。時系列が行ったり来たりしている。何人かの人物が変装した...
和製ピクチャレスク 『浅草紅団』 川端康成
「「尖端的だわね。」――『浅草紅団』の〈目〉」(高山宏 文学7,8月号 特集・浅草と文学)によると、『浅草紅団』(川端康成)はピクチャレス文学だそうだ。イギリスやフランスを...
ジャズ・エイジとその少しあとの音楽
ジャズの黄金時代は1940年代から50年代という。だが、私はジャズ・ファンというよりは、1920年代から30年代の文化全体から音楽にも興味が行った。だからジャズというジャン...