記事「POPEYE 2017年12月号 古着と時計。」にいつかはCARTIER(カルティエ)のタンクが欲しいね、今まで遣った金額を合わせれば中古くらいは買えたかもしれない、怖いから計算していないがと書いた。そして、記事「アール・デコなTISSOT(ティソ)の腕時計が加わり縦長スモセコ五人衆に」で似たテイストのTISSOT(ティソ)の時計を買ったことについて書いた。
タンクっぽいデザインの腕時計は、ここがこうだったらいいのにという惜しいものが多いが、最近ついに、極めて似ているものを発見した。記事「OMEGAスピードマスターもどきにしては上出来なシャルルホーゲル」に書いたパクりウォッチばかり出しているCharles Vogele(シャルルホーゲル)の時計をネットで見ていて、似たようなブランドのTECHNOS(テクノス)の時計も見ていたときだった。買ってはみたものの、これは賭けだった。サイズ感と作動するかどうかが。
ネットの説明ではベルト幅14mmと書かれてた。ラグ幅14mmなら明らかに小さいレディース、16mmあればメンズで行けるという判断基準が私の中にあり、微妙なところだ。出品者にラグ幅を問い合わせたが返答がなかった。だが、リューズを除いたケース幅と写真から比率を計算するとラグ幅18mmくらいはあるはずだった。実物はその通りで、男性も使えるサイズでよかった。
あまり似せすぎるとまずいのだろうかとも思っていたが、ここまで似ていると笑ってしまう。どうせやるならここまでやって欲しい。意匠権が切れているから問題ないはず。TECHNOSは今は安っぽいパクりウォッチばかり出しているが、昔は高級舶来時計で、これはどの時代のものか判らなかった。実物を見ると、6時の下に“Eta Swiss Quartz”と書いてあった。
あとは電池交換で動くかどうかだ。記事「アールデコ風な腕時計のベルトを金属からトカゲ革に付け替えてより優雅な雰囲気になった」、「スモールセコンドのクォーツ腕時計は電池の消耗が早い?」にも書いた近所の時計店で見てもらった。「こんなにカルティエに似ているのを見たことないので面白いなと思って買ってみたんですよ」と私が云うと、ご主人は「かなり売れたんですよ、昭和五十年代くらいに」と云っていた。高級舶来時計時代からパクッていたわけか。
結局、電池交換で動く状態ではなかった。まあ、この可能性も考えて買ったわけで、仕方ない。だが、中身を入れ替えれば直るという。ムーヴメントあるんですかと尋ねたら、日本は古い部品は全然なくなっちゃうけどスイスは時計の国だからムーヴメントは今でもあるんですよとのことだった。これは予想外の展開だ。ある程度の金額を出せば直るそうだ。パクりウォッチの修理にその金額を出すか、どうしようか、迷うところだが、そのうち前向きに検討しそうな気がする。
よほど時計に興味ある人じゃない限り、「それカルティエ?」とは聞いてこないだろう。もし聞かれたとしても、一応他のブランドの本物のヴィンテージは持っているし、心の余裕を持って「ああ、これね、似てるでしょ」と答えられる。
《追記》
記事「スマホ&100均グッズでインスタ映え! 時計のきれいな撮り方講座 WATCHNAVI 2021 Spring」で撮った画像。古びたベルトに替えたら無駄にヴィンテージ感が出た。まだ修理していない。
(2021年6月8日)