自動人形映画『独身者の機械』

独身者の機械 岩井天志

岩井天志監督、小濱伸司美術の人形アニメ、監督が云うところによれば自動人形映画(オートマタ・ムーヴィー)『独身者の機械』を見た。何年も前に下記サイトの辛口コメントを読んでいたのでどんなものかなと思ったが、好きな主題なので見たいとは思っていた。

こんな作品を見た!~「映像のコスモロジーVII」

冒頭、双子の少女が妙な動きをする。今にして思えば、片方が人間で片方がアンドロイドであることを表しているようだ。アートだか何だか知らないけど、よく分からない雰囲気だけの映像って好きじゃないんだよねと思いながら見ていたが、中盤、真鍮製ロボット、リベットや歯車を多用した巨大機械が出てきたあたりからこれは凄いと思った。これを考えて実物を作ったというのは、映像作品ではなく発明と云ってもいい。岩井天志の名前をよく見かけるが、視覚的には小濱伸司の功績なのだろう。よく分からない雰囲気だけの映像であることに変わりはないし、クエイっ子と云えばその通りかもしれないが、この作品に関してはかなり私の好みだ。メカと少女という主題はカラフルな二次元アニメにもよくあるが、文学・美術方面、懐古趣味方面に行くとこうなるのだろう。

太陽1999年8月号特集・人形愛の監督インタビューで一言も触れていないがキャプションによると双子の少女はハダリーとソワナで科学者はエジソンだそうで、『未來のイヴ』ヴィリエ・ド・リラダン)の影響を受けている。

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