ルキノ・ヴィスコンティ監督『ルートヴィヒ【完全復元版】』を観た。今気付いたが「神々の黄昏」という副題は付いていない。オリジナル版(1972)は184分で復元版は237分だ。ビデオで見たときはあまりピンとこなかったのだが、復元版は自然な流れになっていた。
四時間のこの映画は娯楽ではなく、ある意味戦いだなと気合いを入れて観に行ったが、シーンの変わり目がいちいち鮮やかで飽きなかった。ルートヴィヒの顔や唇に添える手の動きがかっこいいので、男の手が好きな人におすすめだ。ルートヴィヒの死ぬ直前の夜や月についての台詞が素晴らしい。それを聞くためにまた観てもいいような気がする。映画館で観られて1300円はお得感がある。豪華なひとときだった。
『狂王ルートヴィヒ 夢の王国の黄昏』(ジャン・デ・カール 中公文庫)に写真が色々載っている。ルートヴィヒ役のヘルムート・バーガーだけではなくエリザベートもゾフィーもワーグナーも本人にそっくりだ。
『狂王の庭』(角川文庫)はルートヴィヒを元にした話で、小池真理子の他の小説は読んだことないが、これはギリギリ感で引っ張って爆発するいい小説だった。
写真は以前買ったポストカード集の中の一枚。