『うつつゆめもどき=毒舌いろは加留多』(塚本邦雄 創元社)を読んでいたら、驚くべき万年筆の使い方が載っていた。
私の万年筆の使い方は、もし万年筆評論家がいたとしたら(いるのかもしれない)、一言のもとに「邪道!」「言語道断!」と切り捨 てられること請合だ。何を隠そう、私は極細書き万年筆の裏側で文字を書く。ここ三十年、ただの一度もこの方法を変えたことがない。だから、縫針にインク をつけてしたためたような、繊細無比な筆蹟になる。こうしないと私は全然筆が進まない。
そんなことができるのかと思い、やってみたところ、できた。