ダーガーはバンビを殺したか?

Darger untitled Untitled

ヘンリー・ダーガーについてのドキュメンタリー映画『非現実の王国で』では触れられていないが、ダーガーは実際に少女殺した可能性があるらしい。ダーガー特集の美術手帖07年5月号の会田誠の文「ダーガーになれなかった/ならずにすんだ僕」に書いてある。

ダーガーが青年時代に施設を脱走した頃、その地域で少女の絞殺体が見つかり、その事件は迷宮入りになったという話だ。ダーガーが描く絞殺される少女は眼球と舌が飛び出し、リアルだ。雑誌や新聞の広告から少女をトレースしていたのだが、この絞殺される少女の顔が何かからのトレースだとも思えない。死ぬまで作ったものを発表せず、人付き合いを避けていた理由もこれなら説明がつく。

自作の物語の登場人物のモデル、1911年にシカゴで殺害された少女の写真の新聞の切り抜きを持っていたこと、それをなくしたことで物語世界に影響が出た話はよく聞く。今知ったが、その少女を祀った祭壇も作ったらしい。この少女が会田誠の文に出てくる少女と同じかどうかは分からないが、時期は同じだ。この時期は執筆開始の時期でもある。

真相は永久に分からないとしながらも、会田誠の主観では「ほぼクロ」だそうだ。宮崎勤の絵が「絶対にこちらはかないっこない」という点で、ヘンリー・ダーガーと同じオーラを放っていたというのを根拠の一つとしている。

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