『女ヴァンパイア カーミラ』 クリストファー・リーが謎の吸血鬼事件に挑む怪奇映画

女ヴァンパイア カーミラ クリストファー・リー La_cripta_e_lincubo_1964

『女ヴァンパイア カーミラ』(1964)のモノクロ低画質を見て、かなり古い映画のように感じたが、同じくクリストファー・リー主演の『吸血鬼ドラキュラ』(1958)よりも新しいのだ。傑作ではないかもしれないが、派手な残酷描写はなく、不気味な効果音や映像で古城や悪夢の雰囲気が出ているところがよい。イタリア・スペイン映画なので、イギリスのハマー・フィルムとは違った趣がある。

クリストファー・リー演ずるルドヴィッグ・カーンシュタイン伯爵の娘ローラは悪夢にうなされる。いとこが死ぬ夢が正夢となり、ローラは自分が殺したのだと怯える。その謎を解くために伯爵はロンドンから学者を呼び、調査を依頼する。学者はローラに惹かれるが、ローラはあるきっかけで知り合った美少女リューバと親密になる。吸血痕、謎のせむし男、黒魔術、魔女狩りの呪い、松明を持って地下室探索、白いローブをなびかせて廃墟を走る二人の少女等など、夢を見ているようなぼんやりとした映画だ。原作『吸血鬼カーミラ』平井呈一の解説によると、レ・ファニュは若い時から夢をよく見、自分の怪奇小説は夢からヒントを得たそうだ。

くっきりしたカラーよりも悪夢的雰囲気があってよかったのかもしれない。

DVDのタイトルにカーミラと入っているが、人物名や設定は違っている。カーミラ映画は他には『吸血鬼』カール・ドライヤー監督 1932)、『血とバラ』ロジェ・ヴァディム監督 1961)、『ヴァンパイア・ラヴァーズ』ロイ・ウォード・ベイカー監督 1970)がある。全部見たはずだがあまり覚えていないので、また見たい。『血とバラ』は以前は見たくても全然見る機会がなかったのだが、今ならYouTubeにある。

血とバラ (吹替) vol 1 – YouTube

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