『ロッキー・ホラー・ショー:タイムワープ・アゲイン』は期待外れ やっぱり日本版の音楽は素晴らしい

記事「『ロッキー・ホラー・ショー:タイムワープ・アゲイン』2017年10月18日発売予定 予約受付中 と『Me and My Girl』について少々」に書き、楽しみにしていた『ロッキー・ホラー・ショー:タイムワープ・アゲイン』ケニー・オルテガ監督 2016)を見た。YouTubeで動画を見て、映画のクオリティではないことは覚悟していたが、予想を下回る出来だった。YouTubeで動画をいくつか見たときはオリジナルと違うものにしようという心意気を感じたし、全然違うものにするならそれはそれで問題ないのだが、映像も音楽も演技も下ネタもパワーダウンしている。

オリジナルは主演ティム・カリーの顔芸、その他キャストもダンスとも云えないような変な動きが結構あり、演技に勢いがあり、間が絶妙で面白いのだが、そういうものが全然なくなってしまっている。”Sweet Transvestite”の”Hit it! Hit it!”がなくなってるってどういうこと? ロッキーが中途半端な長さの短パンでどういうこと? オリジナルは確かに変な映画だけど作り手も登場人物も大真面目に真剣で、そこが可笑しいのに、リメイクは「俺ら面白いことやってます」的なところが全然駄目だ。

いいところが全くないわけではない。セットやロケ場所はいい感じで、映画館から始まるオープニングは期待させるものだった。

犯罪学者のティム・カリーはちょっと妖しさが足りないと思ったが、調べてみると脳梗塞により言語障害を抱えているとのとこで、これは仕方ない。犯罪学者のアシスタント役がいて、その人のリアクションで一か所笑えるところがあった。エディの登場シーンはインパクトがあった。あとはジャネットがいい躰している。

『ロッキー・ホラー・ショー:タイムワープ・アゲイン』は音がスカスカで、やっぱり日本版の音楽は素晴らしいなと再確認した。2011年の日本版を残念ながら生で観ることはできなかったがCD『ロッキー ホラー ショー ジャパニーズ キャスト レコーディング』を買った。オリジナルに忠実で、音やコーラスはさらに厚くなっていて、ROLLYの思わず歌いたくなる訳詞も面白くて素晴らしい。全部いいが、特に”Sword Of Damocles”から”Hot Patootie Bless my soul”のノリのいい流れが好きで、今でもよく聴いている。

“Science Fiction/Double Feature”のコーラスはおそらくメキシカン・キャストの影響を受けているのではないだろうか。

日本語に聞こえる英語、いわゆる「空耳」を活かした歌詞もある。私が気に入っているは”I’m just a Sweet Transvestite”が「あたしゃスウィート・トランスヴェスタイト」となっているところだ。日本語がすごく歌詞にハマッていて、わかいく下品でおすすめなのは”Touch A Touch A Touch A Touch Me”。

日本版のミュージカル、またやるらしい。地元に来ないんだよな。もうちょっと早く知っていれば計画を立てられたが、さてどうしよう。
ロッキー・ホラー・ショー| PARCO STAGE

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