以前はシリーズものを集めるのに古本屋を歩き回って少しづつ探したりしたものだが、ネット通販が普及してからは探すのが楽になった。だが、そううまくいかない場合もある。
サッカレーの『バラと指輪』が面白かったので、『虚栄の市』も読みたいと思い、探している。『バラと指輪』に興味を持ったのはフィッツジェラルドがきっかけだったが、『虚栄の市』もフィッツジェラルドの「私が愛読した10冊の本」の中の一冊で、「説明の要なし」とコメントされている。
岩波文庫の有名な古典なのに、品切れでなかなかない。全四巻のうち、まず第四巻をブックオフで買った。近所の本屋に奇跡的に二巻、三巻、四巻があったのだが、すぐには買わずに古本屋めぐりをした。東京の古本屋なら岩波文庫が充実した店は何軒も心あたりあるが、地方ではそうもいかず、収穫はなかった。
Amazonには第一巻、第二巻しか出品されていない。しかも旧訳と新訳の区別もつかないで出品している奴らがいるので念のため問い合わせた。第一巻はすぐに返答がきて、探している新訳だったので注文した。第二巻の方は返事も来ない。
第二巻だけ売っている新刊書店をチェックしておきつつ、第三巻を買おうと近所の書店に行ったら、第二巻が売れて、第三巻、第四巻のみとなっていた。誰か読み進めていって第二巻を買った人がいるのだろうか。第三巻は私が買ったが、第二巻を買った人もまさか第三巻が売れてしまうとは思わないだろう。タイミングが悪ければ私が買えなかった可能性もあった。
図書館にも旧訳しかないのだ。岩波文庫なら大抵いつでもあるというのは大間違いだ。
(2014年6月13日の追記)
第一巻が届き、よしこれで読めると楽しみにして封を切ったら旧訳がだった。いきなり注文せずに、問い合わせて新訳だと確認してから買ったのに。二件問い合わせて一件は返答なし、一件は嘘吐きってどうなってんだ。
(2014年7月9日の追記)
最近やっと第一巻を買い、読み始めた。旧訳が届いた事件のときは、単なるミスなら誰でもあるから別にいいのだが、この業者は自分の商品が新訳か旧訳かも把握していないくせにまた新訳のページに値段を吊り上げて出品したものだから、徹底追求してAmazonの「担当部署」にも動いて調べてもらった結果、結局旧訳しか在庫がなかった。その業者は新訳のページから取り下げさせたが、新訳のページで出版年が2003年より前のものは旧訳なので、これから買う方はお気をつけください。