イギリスのメーカーの傘を注文し、これで理想の傘が手に入ると思ったら

イギリスのメーカーの細身の傘といえば1868年創業のフォックス アンブレラズが有名だが、一万数千円程度のモデルでは留め具がマジックテープだ。フルトン アンブレラは1956年創業で、フォックスと比べると新興だがこちらも細身で長すぎない、似たような形の傘を出している。私はマジックテープが嫌で、フルトンはスナップなのでフルトンのマラッカハンドルのものを注文した。

長さも形もよいのだが、石突の根元は黒っぽいシルバーなのに先端がゴールドなのがちぐはぐで気に入らない。仕様変更ですべてこの色だそうだ。納得いかないので返品した。やっぱり留め具がマジックテープであることには妥協してフォックスを買うしかないのか。

だが収穫はあった。フルトンアンブレラ公式オンラインショップのご使用上の注意がとても詳しく書かれていて、フルトン以外の傘を使う場合でも参考になる。商品のページ、例えばConsul無地 Black マラッカハンドルのページの下部にある。

フルトン公式の注意書きのたたみ方には「手の汚れ・ハンドクリームなどは撥水コーティングの劣化の原因となりますので、傘の先端から絞るように巻き込むのはお避け下さい。」とある。

『英國紳士はお洒落だ』ポール・キアーズ 飛鳥新社)には、布地を折り目に沿って正しくたたんだら、右手で柄を、左手で石突をしっかりと握り、この状態のまま右手をゆっくりと回転させ、それに合わせて左手をハンドルの方にすべらせていくと書いてあるので私はこのようにしていたが、これを真似してはいけないということになってしまう。

いや、英国紳士は手袋をはめているのだ、きっとそうに違いないと思い、同じ本の手袋の項を見ると、ごく最近まで盛夏といえども社交場にあっては薄いコットンやローンの手袋を忘れることは出来なかったと書いてある。やはり素手で絞るように巻き込むのはよくないということだろう。

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