『桑港』(サンフランシスコ) 愛する男と軽演芸をやるか 愛してない男とオペラをやるか

桑港 san-francisco クラーク・ゲーブル 

先日見た『ラヴ・パレード』ジャネット・マクドナルドが美しかったので、彼女が出演している『桑港』(1936)を見た。1906年のサンフランシスコ大地震を背景としたメロドラマだ。歴史的大事件と恋愛ものの組み合わせは『ドクトル・ジバゴ』(1965)、『タイタニック』(1997)と脈々と続いている。

クラーク・ゲーブル演ずるブラッキーとスペンサー・トレイシー演ずるマリンは幼なじみで、それぞれ街の顔役と神父、別々の道を歩むが友情は続いている。ボードヴィルの劇場を経営するブラッキーとオペラ劇場のオーナーが女を取り合う。女は恋を取るか、芸術を取るか。そこで神父が重要な役割を果たすが、大地震が起こる。その結果は? 大災害のパニックは特撮でかなり大規模に描かれていて、燃える火が恐ろしい。

ジャネット・マクドナルド演ずるヒロインのメアリーには歌の見せ場が多く、オペラのシーンもある。贅沢な映画だ。私が見たのはモノクロだが、カラーの動画があった。

クラーク・ゲーブルがまた、ちょっと不良だけど人情味もあって恋にはまっすぐ、態度は自信満々という、『風と共に去りぬ』(1939)のレット・バトラーにも似たかっこいい役で、よかった。恋仇の母親への振舞が泣かせる。アホタレには拳骨を喰らわすのだ。こういうのを見ていると不良老人になりそうだ。

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