記事「『ボーイフレンド』(ケン・ラッセル監督)に出てくるルビー・ステップって何?」にルビー・キーラーやバスビー・バークレーについて書いたが、バスビー・バークレーが後に舞台で“No, No, Nanette”を演出したときにルビー・キーラーを起用したと知り、その映画化『二人でお茶を』(デイヴィッド・バトラー監督 1950)のDVDを見た。歌やダンスはよかったが画質が悪く、字幕の誤字や抜けがあり、あまり集中できなかった。だが、“The Boy Friend”の“Sur la plage”にそっくりな曲があったのが発見だった。
ミュージカル“The Boy Friend”(1953)は“The Girl Friend”(1926)のパロディだということは下記の動画で解説されている。“The Boy Friend”のサウンドトラックのライナーノーツによれば“No, No, Nanette”(1925)も元ネタのひとつらしい。
私が持っている“The Boy Friend”のサウンドトラックはロンドン版とブロードウェイ版で両方1954年収録だ。他にリバイバル版もあるようだ。
左がオリジナル・ロンドン・キャストで、バンドは映画『ボーイフレンド』と同様、ピアノとドラムのみ。これがいい味出してる。元ネタ集とも呼べる1920年代の音源が多数入っているのが嬉しい。
右はジュリー・アンドリュース主演のブロードウェイ・キャストで、こちらはオーケストラだ。
『ボーイフレンド』は両方のいいとこ取りで、うまいことやったのだな。さすが音楽に造詣の深いケン・ラッセル!
私は“Me and My Girl”(1937)も“The Boy Friend”と似ている気がする。古いボーイ・ミーツ・ガールものは大抵同じようなストーリーなのか、イギリスのお国柄なのかは判らないが。階級差がなくなったらハッピーエンドというのはよく考えると手放しでよかったねーとはならないが、深いことを考えずに楽しむなら悪くない。聴いていて楽しくなるような曲が多く、好きだ。
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