「 フランス 」一覧
ウルトラバロックデカダンス
外国の古い小説を読んでいると入れ子構造になっていることがよくあり、『悪魔のような女たち』(バルベー・ドールヴィイ ちくま文庫)もそうなのだが、メインではない外側の語りまで華...
『カルパチアの城』 ジュール・ヴェルヌ 死んだはずの歌姫の声の正体は?
吸血鬼伝説の残るトランシルヴァニアのカルパチア山中の古城が舞台の『カルパチアの城』(ジュール・ヴェルヌ 1892)の三年後に『吸血鬼ドラキュラ』(ブラム・ストーカー)が出版...
ホフマン ファム・ファタル 機械趣味
ファム・ファタルはフランス語だ。映画やオペラ『ホフマン物語』の原作読んでいると、ファム・ファタル的な話で、ホフマンはドイツでよりもフランスで人気があり、フランス文学にも影響...
ヴィリエ・ド・リラダンとワーグナー
『ピモダン館』(齋藤磯雄 小澤書店)収録の「ヴィリエ・ド・リラダンの墓」で、ヴィリエ・ド・リラダンの墓がペール・ラシェーズ墓地にあり、墓地のすぐ近くにヴィリエ・ド・リラダン...
奇術師フーディーニのロボット映画『神秘の達人』
《「ロボット」という言葉ができる前のロボット》 ハリー・フーディーニは拘束されたまま箱に閉じ込められたり水中に投げ込まれたりして、そこから脱出する術で有名な奇術師だ。1874...
『ヒューゴの不思議な発明』 マーティン・スコセッシ監督 映画をめぐる少年少女の冒険
マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』は最高の映画ではないかもしれないが、作品世界が最高に私の好みの映画だ。1930年代、パリ、時計、歯車、機械人形、奇術、...
『モンパルナスの灯』 恋と病と貧困と モディリアーニの晩年
ジャック・ベッケル監督、ジェラール・フィリップ主演の『モンパルナスの灯』(1958)は主にパリで活動したイタリア人画家モディリアーニの伝記映画だ。見ていて、これはモンマルト...
恐怖までもアムール フランスの恐怖演劇グラン=ギニョル
1897年、モンマルトルの丘のふもとに、グラン=ギニョル座という劇場が生まれた。人々は身の毛もよだつようなスリルを求めて、夜な夜なその劇場につめかけた。そこで上演されていた...
『もう森へなんか行かない』 エドゥアール・デュジャルダン フランス好きの私の好きな小説
私はフランス好きです。はじめから意識的だったわけではなく、おしゃれなイメージを気取っているわけでもなく、たまたま気に入った本や映画や絵画にフランスのものが多かった。何となく...