20年代パリのモダーンな人々の絵

記事「『華麗なるギャツビー』にも出てきた1920年代ダンディズムな絵 ライエンデッカー(レインデッカー)」に「”The Great Gatsby”のペーパーバックの表紙の絵について調べていて、あらこれいいじゃないのと、他の絵に目が行った」と書いたが、今回は同じように調べていて、あらこの絵、こんなところでも使われていたのか、と思った。

the-great-gatsby Detail of 'Montparno's Blues' by Kees Van Dongen

アラン・ルドルフ監督の映画『モダーンズ』のポスターの絵が素敵なのだが、でも、これ画家の役の人が実際に描いたのではなかったか、それほど古い映画ではないのにおかしいと思って調べてみたら、似ているが違っていた。上の絵をパクッた(リスペクトした? 影響を受けた?)のだね。

the moderns art direction rafe blasi design randi lynn braun illustration keith carradine_1988

《追記》
ペーパーバックの表紙の絵が気になったので調べてみた。右下にサインが入っているが、小さくて読めず、調査は簡単ではなかった。ペーパーバックは1971年のPenguin Modern Classics、表紙の画はキース・ヴァン・ドンゲン(Kees van Dongen 1877 – 1968)の”Montparnasse Blues”(1922-25)であることが分かった。ウィキペディアにはやはり、『モダーンズ』のポスターはキース・ヴァン・ドンゲンの模倣、パロディと書いてある。

キース・ヴァン・ドンゲンはオランダ出身でパリに転居した、エコール・ド・パリの画家。フィッツジェラルドより二十歳ほど上の世代だが、同時代のパリにいたはずで、”The Great Gatsby”の表紙にふさわしい。

Kees van Dongen Montparnasse Blues
(2015年5月8日)

すでに終わっているがヴァン・ドンゲン展というものがあったらしく、その解説にキース・ヴァン・ドンゲンについて詳しく書いてある。藤田嗣治にも影響を与えたらしい。

Van Dongen 展 – PR Times

(2016年11月15日)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。