狸小路7丁目の大學堂書房は昔のままというよりは、棚がスカスカだったり、より積み上げられていたり、より混沌としていた。向かいにはアンティークモール骨董時代村がある。平和ビリヤード跡で、ドアの作り等このビル自体に歴史を感じる。同じビルの隣がクラシック喫茶ウイーンだ。何度も前を通ったことはあるはずなのに気にしたことはなかった。色々な名曲喫茶に行くようになったのは東京に移住してからだったので。行く予定ではなかったが入ってみた。大きなスピーカーで適度な明るさでいい雰囲気だ。地元にこんないい店があるのを知らなかったとはもったいない。ここのお手洗いに行くと、このビル自体に感じた歴史が本物だと分かる。
東京では無くなった店が多く、名曲喫茶ではないが吉祥寺の宵待草、ボアもこれから無くなる。残念だ。ウイーンは永く続いて欲しい。また行きたい。
ここまでで私のブログでよく扱っている古本、喫茶、古道具について触れた。残りは映画、狸小路6丁目のシアターキノへ行ってみた。いい映画を紹介してます的なところが鼻につくが、興味惹かれる映画が多いのも事実でよく行っていた。シアターキノ15周年記念〈あなたの思い出〉募集のちらしをもらった。思い出なんかあるかなあ。初めて行ったのは移転前、まだ日本一小さな映画館だったときで『金星人 地球を征服』か『戦慄!プルトニウム人間』のどちらかだった。
《追記》
大學堂書房はもうない。すすきのの石川書店も閉店し、八光書房があるがいつ行っても閉まっていて、この辺で古本を見るならまんだらけということになる。まんだらけには漫画だけではなく、普通の古本のコーナーがある。
土日に街の中心部に出ると、ちょっとカフェに入ろうかと思っても、どこも人が多くて入れない。ずっと行っていなかったウイーンを思い出し、入ってみた。ヘッドフォンではなく、全身で音を感じるのは、やはりいい。珈琲一杯でかなりのんびりできた。まんだらけで買ったばかり本を読んだり、睡眠したり。東京の名曲喫茶ではよくやっていたことだが、久しぶりだ。くつろいでいたら、「閉店です」と声をかけられた。18時で閉店なのを知らなかった。
(2016年1月10日)