ジョン・ギラーミン監督 『キングコング』と『キングコング2』

キングコング king kong 1976

不評なのは知っていたので、たいして期待せずにジョン・ギラーミン監督版『キングコング』(1976)を見た。リアリズムのラブ・ストーリーとして描いているつもりかもしれないがご都合主義で、人物は個性が薄く、成功していない。

しょうもない映画だが、ヒロインのジェシカ・ラングとその衣裳は素晴らしかった。コングの目が人間の目で、表情があるのはいいのだが、直接的すぎる演出が、私の好みではない。ヒロインとドリスコル的人物がバーで語るところなど、いいシーンもいくつかはあった。人ごみに流されて、最後二人は結ばれないのではないかという演出は、ピーター・ジャクソン版よりいいかもしれない。

やはりオリジナル(1933)がシンプル・イズ・ベストだ。ジョン・ギラーミン版(1976)は方向性を間違った映画、ピーター・ジャンクソン版(2005)は方向性は間違っていないがやりすぎた映画だ。どれもいいところはある。

わざわざ別の記事にするほどでもないのでついでに書くが、同じプロデューサーと監督が懲りずに作った『キングコング2』(1986)もわざわざ見るほどでもない映画だった。リアリズムのラブ・ストーリーとして描いているつもりかもしれないがご都合主義で、人物は個性が薄く、成功していない。DQNが死ぬところが笑える程度だ。前作もそうだが、プロデューサーも監督もアメリカ人ではないので、アメリカ批判の要素が入っているのだろう。

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