「 1940年代 」一覧
『如何なる星の下に』 高見順 レヴィウの踊り子への慕情
「慕情」という言葉が出てくる。なかなかお目にかからない言葉だが、こういう心情は今でもなくなったわけではないのではないか。 「──いいなアといふのは、どういふの。踊りが巧い...
「モテたければ外見をよくしろ」と書いてある『星の王子さま』関連本
『もてる! 『星の王子さま』効果』(晴香葉子 講談社+α新書)のタイトルを見て、またくだらない本が出ているなと思った。だが、サン=テグジュペリは実際モテたので、もしかしたら...
『ラスト・タイクーン』 フィッツジェラルド 何かを求めて手に入らない姿が作者と重なる
フィッツジェラルドに感銘を受け、クラシック映画も好きなので『ラスト・タイクーン』は是非読まねばと思い、ハヤカワ文庫の乾信一郎訳と三笠書房の米田敏範訳を読み、角川文庫大貫三郎...
『ダーク・ブルー』 英国空軍としてナチスと戦ったチェコスロヴァキア人飛行機乗りの恋と友情
対等な関係のバディ・ムービーでもなく、師弟関係でもなく、ちょっと珍しい距離感の飛行機映画だった。チェコ・イギリス合作、ヤン・スヴェラーク監督の『ダーク・ブルー』(2001)...
『心の旅路』 記憶喪失者の記憶が戻ったら
マーヴィン・ルロイ監督の『心の旅路』(1942)は、ちょっとうますぎる。出てきた小道具や台詞を後でもう一度出して前のシーンを思い出させるテクニックをさりげなくではなく、これ...
『ハムレット』 ローレンス・オリヴィエ監督版に出ていたあの二人
ローレンス・オリヴィエ監督『ハムレット』(1948) はネットでの評判はあまりよくないようで、私も地味な印象を受けたが、モノクロの映像が美しい。陰鬱な城内の薄汚れた壁やオフ...
『ラスト・タイクーン』に出てくるゴーティエの詩
『ラスト・タイクーン』(フィッツジェラルド 1940)の第三章に芸術についての言葉が唐突に引用されている。これは19世紀のフランスの詩人、テオフィル・ゴーティエの『螺鈿七宝...
コール・ポーターの伝記映画『五線譜のラブレター』と『夜も昼も』
『優雅な生活が最高の復讐である』(カルヴィン・トムキンズ 新潮文庫)にコール・ポーターの名前がよく出てきて、この時代の音楽に興味あったので、伝記映画『五線譜のラブレター』(...