「 本 」一覧
「人面疽」 谷崎潤一郎 得体の知れない呪いのできもの、呪いの映画
「人面疽」(じんめんそ)は映画がテーマの怪奇ものだ。著者、谷崎潤一郎は映画を製作したり義妹を女優に育てたりしたが、大正七年(1918)にこれほどアメリカの映画会社や撮影について書い...
魅惑のレビュー カジノ SKD 宝塚
「モボ・モガの時代 東京1920年代」(平凡出版社)は写真も文章も詰まっていて、読みながら何度も「へぇーっ」と声に出してしまった。興味ある話題は色々あるのだが、最近の記事、...
モボ・モガの時代 東京1920年代
「モボ・モガの時代 東京1920年代」(平凡出版社)は1983年に出たムックだ。表紙・タイトルデザインは堀内誠一、イラストは山名文夫。表紙の文字は最近見かけない手描きで、贅...
カジノ・フォリーのフォリーとは何か?
川端康成の『浅草紅団』(昭和5年 1930)などに出てくる実在したレビュー団、カジノ・フォリーは、パリのレビュー劇場、カジノ・ド・パリとフォリー・ベルジェールから採ったものだ。アメ...
「水族館」 田園小説『風立ちぬ』の前は都会的だった堀辰雄
浅草公園の魅力を伝えるために、千個の事実よりも空想の中に生まれた異常な物語の方が便利というのが堀辰雄の短篇「水族館」だ。昭和五年(1930)刊の『モダンTOKIO円舞曲』に...
『吸血鬼ドラキュラ』 昔の創元推理文庫の表紙
『幻想書誌学序説』(村上博美 青弓社)を読んでいたら、創元推理文庫の『吸血鬼ドラキュラ』(ブラム・ストーカー 平井呈一訳)について書いてあり、私は二種類持っているので現物を確認して...
『吸血鬼ドラキュラ』著者の妻をめぐる男たち
もう何年も前、『悪魔スヴェンガリ』(1931)のDVDのパッケージに「原作 ジョルジュ・L・デュ・モーリア」と書いてあり、『レベッカ』(1938)のダフネ・デュ・モーリアと同じ苗字...
ドラキュラやオペラ座の怪人はジュール・ヴェルヌと関係あるか?
私は記事「『カルパチアの城』 ジュール・ヴェルヌ 死んだはずの歌姫の声の正体は?」に、以下のように書いた。 吸血鬼伝説の残るトランシルヴァニアのカルパチア山中の古城が舞台...
『キング・コング』に影響を与えた猿たち
『図像探偵 眼で解く推理博覧会』(荒俣宏 光文社文庫)に、ポオはオランを知らなかった説なるものが載っている。博物学の本のオランウータンの絵には幼獣や愛らしいものが多いことと、小説中...